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農薬って危険なの?!有機野菜について知りたい方へ

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「農薬」と聞くと、何だか体にすごく悪そうなイメージですよね。

それでも、使われ続けているのには理由があるんです。

農薬を避けるために有機野菜を買われている方にも、もっと農薬のことについて知っていただきたくてこの記事を書いています。

この記事は「図解でよくわかる農薬のきほん」を参考に書いています。より詳細を知りたい方はぜひこちらの本を読んでみてください(^^) 

 

そもそも、どうして農薬を使うの?

日本は主要国の中でも有数の「農薬大国」と言われています。

なぜ、日本はそんなに農薬を使わなければならないんでしょうか。

そもそも農薬とは何でしょうか。

農林水産省のウェブサイトに書いてあることを、簡単に言い換えると「菌や虫、動物からの農作物の被害を抑えるための薬剤」を農薬と言います。

現代の農業で農薬は欠かせないものになっていますが、その理由は3つあるそうです。

  1. 農耕地はたいてい単一な作物を育てるために、生物多様性がなく、農作物を直接食べる昆虫だけになりやすい。つまり、農作物を食べる害虫を食べる昆虫がいてくれないので、農薬が必要ということです。
  2. 品種改良でおいしくされた農作物は害虫や動物への防御システムがなくなっています。元々植物がもっている辛味や苦味などの不快な味は食べられないようにするためのシステムでした。
  3. 肥料がたっぷり与えられる植物は栄養がたっぷりで、害虫にとっての「美食天国」です。人間においしい野菜は害虫にもおいしいんです。

以上のような理由から、農薬を散布しないと害虫に食べられたり、菌により病気になったりしてしまうんです。

そこで、それぞれの菌や昆虫などの原因に合わせた農薬を選んで散布します。

また、雑草を人が刈るのではなくて、枯らすためにも農薬を散布します。

 

さて、ここで農薬の種類についてですが、大きく分けて、除草剤がいちばん多く、その次に殺虫剤が多いようです。

その他にも、殺菌剤、殺虫殺菌剤などがあります。

 

さて、はじめに日本は「農薬大国」と言いました。

その理由のひとつは、あまり農薬を使わないでいい「遺伝子組み換え作物」の生産がアメリカなどより日本はかなり少ないので農薬を使う量がほかの国より多い、ということもあるようです。

遺伝子組み換え作物の危険性についても、現在世界的に議論されています。

 

農薬は健康や環境問題への悪影響があるというイメージがありますよね。

確かに過去には農薬による死亡事故が多かったのですが、近年は死亡事故が0に近い数字まで激減しているそうです。

また、環境保護や安心・安全への関心の高まりから、安全性も確実に進歩してきているそうです。

野菜などへの残留農薬は水洗いや皮を向くことでかなり落とせるようです

それでも、農薬を減らす努力はしなければいけませんね。

 

新しい農薬の問題〜ネオニコチノイド系とは〜

1990年代はじめごろから世界各地でミツバチの大量死・大量失踪が起こっていて、これは「ネオニコチノイド系農薬」が原因だと言われています。

この農薬はタバコのニコチンに似た成分をベースとしていて、今世界でいちばんひろく使われている殺虫剤だそうです。

これは、神経毒性や残留性が大きく、ターゲットの害虫以外の昆虫にも影響を与えてしまうそうです。

人には安全と言われているものの、徐々に人体への悪影響も指摘されてきています。。。

 ミツバチのイラスト

 

化学農薬に頼らない方法も!

最近は、化学農薬を使うことで病害虫が農薬に抵抗できるようになってしまったり、環境に負荷があると考えて、化学農薬を控えようという動きもあります。

化学農薬を控える方法の一部をご紹介します。

  • 害虫の天敵を導入して、害虫の発生を抑制する。
  • 雑草を除去するために、アイガモを導入する。
  • 通気性のある布をかぶせて、害虫の侵入を防ぐ。
  • 虫が苦手な光を利用する。
  • 害虫のフェロモンに似た合成フェロモンを撒き、害虫を撹乱する。
  • 食用油などを直接害虫に散布して、窒息死させる。 
  • 土壌に石灰を撒き、それによって病気や虫に負けない強い作物を作ることができる。
  • 米ぬかを撒くことで、それをエサにして空気中や土中に生息する菌が増え、その菌が病原菌の攻撃から作物を守ってくれる。

などなど、色々な害虫や菌を駆除する方法があるんです。

 

じゃあ、有機野菜ってどうなの?

2006年から「有機農業推進法」という法律ができて、それから認定された有機野菜に「有機JASマーク」が付けられるようになりました。

でもでも、実は有機栽培でも農薬って使えるんです!

生物や天然物由来の農薬は使っていいことになっているそうです。

有機農産物」の認証が厳しい(認定料や調査手数料がかかったりも)ので、認証を取る農家さんの数は伸び悩んでいるようです。

その代わりに、最近は都道府県が独自に認証する「特別栽培農産物」が増えています。

これは、減農薬・化学肥料で、環境に優しい産地ブランドとして自治体が支援する場合もあるそうです。

 

いかがでしたでしょうか。

農薬って農家さんの大切な農作物を守るためには必要なんだと分かりました。

それでも、環境や人にやさしい農業をしようと頑張っている農家さんをぜひ応援したいとも思います。

もっと、詳しく農薬について知りたいという方、ぜひこちらの本を参考にしてみてください! 

 

最後までお読みくださいましてありがとうございました。